チーム寺子屋 
出雲路ワンデイラン160
2007.9.30
 出雲路ワンデイラン160。昨年から20kmほど、長くなりセンチュリーラン(100マイルレース)となった。朝7時30分にスタートなので、前日に、受付を済ませるために益田を出発した。ホテルは、松江に来たときはいつも利用している教育会館だ。古い建物なのだが安く泊れるのでありがたい。仕事もしようと、パソコンなども持ってきていたのだが結局荷物を増やしただけになってしまった。
 さて、朝6時前に起き、準備をする。本来なら7時から始まるモーニングサービスだが、このイベントのことを話すと、6時半からやってくれた。感謝。エネルギー補給のため、モーニング以外にも昨夜買っておいたパンや、ウイダーなども食べ、会場である、玉造温泉に向かう。この前から新しい道ができたようで、昨日受付するときにはちょっとわかりにくかったが、朝は、迷うことなく無事スタートの駐車場に到着。ここで、出発の準備をする。昨夜の受付のときには、車はちらほらぐらいだったのだが、朝はほぼ満車状態だった。それでも、何とか駐車できた。後で聞くと、出走人数は300人ということで、前回よりも随分人数が増えていた。自転車ブーム真っ只中って感じか!
 昨年は朝6時半ぐらいがスタートで、ブリーフィングのときには暗かったのだが、今回は明るくなってからのブリーフィングだった。その最中、石見ライドでは毎回ご一緒している益田のHさんに出会う。Hさんとは、同じ益田に住んでいながら、益田ではなかなか顔を合わすことがなく、自転車のイベント会場で会うといった感じだ。今回は、携帯の番号を教え会ったのでこれからは一緒にトレーニングをしたいと思う。

   

  

 いつもそうだが、サイクリストビューのイベントのスタートのルールは自己申告制の速いもの順である。できるだけ、スタート直後の追い越しを少なくするためなのだが、この判断がなかなか難しい。着順関係なしの完走を目指す大会なので、そんなにシビアにする必要はないのだが、気分的にはできるだけ最初の方にスタートする方がいいような気がして、ついつい実力以上のポジションに陣取ってしまう。今回も前から8か9番目ぐらいに並んでしまった。まあ、石見ライドの2日目に3位でゴールしたということで許してもらえる範囲だと解釈して、前でのスタートとした。
スタート〜AS1広瀬中央公園


スタート〜AS1広瀬中央公園

 スタート地点に昨年はなかったエアアーチが設置されていて、イベントに華やかさを加えていた。さあ、いよいよスタート。前の人と3秒ぐらい間隔をあけてスタートする。事前に高低表を見ていたので、最初の広瀬中央公園のエイドステーションまでがきついというのは分かっていた。まあ、きついと言っても、150メートルと300メートルを上る坂があるので、600メートルを上る石見ライドのコースに比べるとそれほどでもないのではあるが・・・・。
 それでもやはり上るときはきつい。何人かに抜かされていく。そんなきつい坂を上る途中にどこか見覚えのある顔が・・・。足を負傷して、今回参加見送りの「えこにんさん」ではないか!。このイベントのために試走してくれたり、出雲路ワンデイランのステッカーを自作して、車に貼ったりと、このイベントにほれ込んでいる自転車仲間である。まだ、挨拶程度で、じっくりとは話をしたことがないのだが、ホームページなどを見ているので、昔からの友人のような気がするのだ。そんなえこにんさんの声援を受け、坂ではあったが、再びパワーが出た。まあ、そのおかげか、最初のころは割りと順調に進む。
 途中、私を抜いていく集団の中に見覚えのある顔が・・・。石見ライドの時にいろいろアドバイスをしてくださった、私の師匠(勝手に私が思っているだけ)のIさんではないか。思わず声をかけると、I さんも私のことを覚えてくださっていたようだった。Iさんは55歳という年齢にも関わらずタフな走りをされる。上り坂などとてもついていけないのだが、この時は、がむしゃらについていった。自分としては、結構ついていったつもりなのだが、徐々に離されてしまい、結局見えなくなってしまった。
 広瀬中央公園のエイドステーションは結構豪華な補給食が置いてあった。疲れた体には、こうした補給食はありがたい。まあ、そうは言っても全部食べるわけにはいかないので、水分補給と梨やオレンジを食べ、すぐに出発した。順位は関係ないといいながらも、ここでもサインの人数を確認した。8か9でスタートしたのだが、ここでは17番目になっていた。やはりだいぶ抜かされていた。

  

 

広瀬中央公園〜AS2八束江島ファミリーマート


〜AS2八束江島ファミリーマート

 その後もまずまずのペースで進む。途中9号線にぶつかるところで、危うく道を間違えるところだったのだが、先を進む人たちが、信号のところで止まって道を確認していた。どうやら反対側の歩道を走るらしい、というように説明してくれたおかげで、間違えずにすんだ。もし、前に走っていた人がいなかったらきっと、そのまま9号線を進んでしまっていたと思われる・・・。実際にここをそのまま間違えて走った人は結構な数いたと、後で聞いた。
 中海が見えてきた。この辺りでは、同じようなペースの人が自然に集まった状態になり、これまた、先頭を自然に交代しながら進んだ。ドラフティング効果からか、大根島辺りでは気持ちよく走ることができた。そのおかげか、第2エイドステーションである八束ファミリーマートに着いたころのアベレージは27km/hというものだった。大根島には途中、廃船が数隻放置されている海岸があるが、この廃船の朽ち方が存在感を醸し出していてる。昼通るのはなんともないけれど、夜ここをロードバイクで通れ、と言われるとちょっと怖い気がする。

   

   

八束江島ファミリーマート〜〜AS3マリンゲートしまね


〜AS3マリンゲートしまね

 本庄中のところを昨年は右折して、七類に向かったのだが、今年のコースは左折して、北浦のほうへ進む。昨年のイメージはこの辺りは海岸線を走るという気がしたが、コースが違うせいか、山道も結構多かった。ずっと続くような激坂は無かったものの、こきざみに坂がやってくる。さっきまでのハイペースがたたったのか、このあたりで、徐々に足に疲れがたまってきたのを感じていた。
 そして、ついに、ついに、その時がやってきた。なんと、加賀の手前の長いトンネルを通っているときに左足の太ももがつったのだ。やばっ!と思って、右足に力を入れると、今度は右足の太もももつってしまった。いっぺんに両足がつるという緊急事態発生である。しかも、トンネルの中。幸い大型トラックなどは通っていなかったのだが、そのまま、こけるわけにもいかず、左手でガードレールをつかみ、なんとかこけずに、止まることができた。それでも、両足がつって、ピーンとなっている状態から、どうしたら治すことができるのかよく分からなかったのだが、なんとか、手をつかって、膝を曲げるようにしてみた、これがよかったようで、つっていた太ももが、少し楽になった。右足も同じようにしたら、こちらもなんとかなった。それでも、足に強い力を入れると再びつりそうになるので、やわらかく、力を入れ、ゆっくり進んでいった。そして、違う筋肉を使うといいかも?と思い、思いっきり蟹股でこぎ始めた。これが、正解で、なんとか、トンネルを抜けることができた。トンネルを抜けたところで、一度ロードバイクを降りて、足をマッサージしたり、スポーツドリンクを太ももにかけたりて、再びスタート。お〜危ない危ない。
 その後も足がつりそうになりながらも、蟹股走法でなんとか進んでいった。私が必死で蟹股走法をしているその後ろから、「なんじゃ!その蟹股は!」と私の師匠であるIさんの激励の声。抜かされていたはずのIさんを手前のエイドステーションでいつもの短時間休憩の私はIさんよりも先に出ていたのだった。「両足がつってしまって、こうしないと、つるんですよ〜」と言い訳をしながら進む。Iさんはまだまだ元気な走りで、あっという間に先へ進んでいった。やっぱりすごい55歳。一回り違うとは思えない〜信じられない。

   

 第3エイドステーションであるマリンゲートしまねに到着。ここの補給食にはなんと、なつかしのイチジクがあるではないか。子どものころ、家の横にイチジクの木があり、毎年このイチジクを食べるのをとても楽しみにしていたのを思い出した。子どものころ食べたイチジクもおいしかったが、ここのイチジクもと〜ってもおいしかった。うれしい補給食だ。ここでも順番をチェックしてみると、9番目。ちょこっと休憩の威力もあるが、少し順位が上がってきている。
 トイレに行くと、師匠のIさんと一緒になる。記念撮影をさせてもらい、スタート。

  

マリンゲートしまね〜〜AS4佐太神社


 〜AS4佐太神社

 この後は海岸線がとても綺麗なところを通る。ただ、一箇所、何も知らずに通ると海へダイビングしそうなところがある。今回は、減速する箇所に逆△△△のマークがあるし、ダイビングしそうな箇所にはスタッフが立っていたので、大丈夫だったが、このルートをもし一人で行くとひやっとすること間違いなしだ。その箇所は丁度下りになっていて、その後急にカーブがあり、そのカーブの下は崖になっているのだ。なぜ、こんな危険な道を通すのかその理由がその少し後に分かる。160キロのコースの中で一番美しい景色「せんたく岩」が見える道にやってくるのだ。ここからの景色は最高で、昨年は止まって写真を何枚も撮ったほどだ。まあ、今年は昨年写真を撮っているので、止まることはしなかったが、乗りながらパチリと数枚撮った。その後は平坦は佐陀川沿いの道を進む。レジャーボートが停まっている場所があるかと思えば、昔ながらの風景で、日本の港町といった場所もある。平坦なところはさっき、つってしまった足にはありがたかった。ロードバイクに乗りながら足が回復していくのがわかった。

   

 第4エイドステーションである佐太神社に到着。Iさんたちもいた。Iさんがしきりにここの神社はすごいんじゃけえ、写真を撮っときなさい、というので写真をぱちり。さっきのエイドステーションでとった写真があまりいいうつりではなかったので、ここで再びIさんも写真を撮らせてもらう。ここでの順位は11番目だった。

   

佐太神社〜AS5中ノ島ぶらり

 
〜AS5中ノ島ぶらり

 佐太神社を過ぎると、今度は山の中の農道に入る。高低表でも分かるようにアップダウンが何度も何度もやってくる道だ。一つ一つの坂はそれほどでもないのであるが、これが、何度もやってくると、両足がつった私の足には相当こたえた。必殺蟹股走法も、ここではもう通用しなくなって、本日2度目の両足つりが発生・・・・がぁ〜。それでも、押して歩くのだけはいやなので、なんとかへろへろになりながらも進んでいった。つったときはいつもそうするのだが、片手を膝のところにそえて手で押してやるのだ。こうすることで、手で自転車をこいでいる感じになり、足への負担を少なくすることができる。この方法も多様した。上りでつり、下りでマッサージして治すという繰り返し。それも太ももが治ったと思ったら今度はふくらはぎが・・・というようにいろいろな箇所がつる。筋肉が悲鳴を上げているという表現がぴったりくるようなそんな状態だった。
 それでも、なんとかアップダウン地獄を通り抜け、平坦な道になった。これで、また足が回復へと向かってくれた。人間の回復力というのはすごい、と我ながら感心した。途中、ずっと道路に目印がないところがあり、道を間違えたかな?と心配するところもあったが、無事、第5エイドステーションである中ノ島ぶらりに12番目に到着。足をマッサージしたり、補給食のめかぶ汁をいただく。あたたかくておいしかった。

   

中ノ島ぶらり〜AS6宍道蒐古館

〜AS6宍道蒐古館
 中ノ島ぶらりを出発して、その後も長い区間平坦な道を行く。あれだけ足がつったが、こうした平坦な道が続くコースだったおかげで、なんとか進むことができた。途中から昨年も通った道になる。 斐伊川辺りでは完全ソロ状態で走っていた。得意の自分撮りなども何度か試したりしながら進む。稲刈りが終わった田んぼには、藁の束が3つ合わさった形で置いてあった。益田ではあまり見ないパターンだ。出雲平野はやはり広い。田んぼの中の道をずっとまっすぐに進む。
 AS6の宍道運蒐古館に到着。やはり順位が気になる。チェックシートのサインを数えると11番目。トイレに行き、いよいよラストスパート。

   

   

 

宍道蒐古館〜ゴール


宍道蒐古館〜ゴール

 気合を入れて!と思ったら、なんとそこには最後の最後に激坂が用意されていた。そういえば、この景色、昨年も見たような・・・たぶん同じルートだと思うが、昨年も苦労したのを思い出した。最後にこういうルートを設定する主催者は、達成感を演出するためか、意地悪なのか?悩むところ。まあ、達成感ということにして、最後の踏ん張りだ。激坂ではあったが、さっきまで平坦な道を随分走っていたおかげで、この激坂ではつることもなくなんとか進めた。
 ちょうど、稲刈りのシーズン。ここには、稲はで。出雲特有なのか、益田ではあまり見かけない、何段にも積み上げた稲はでだ。(匹見あたりには、こうした稲はでがあったかも)こういうその地方地方特有な物を見るのは面白い。激坂に苦しみながら写真を撮る。それでも、あと少しということで、気力で走る。

   

 温泉街を通ってゴールする。順位は関係ないイベントではあるが、何人ゴールしたかをチェックしている人がいたので、聞くと、17人目という答え。直前のエイドステーションでは11番目で、ゴールまでに1人抜かれたのだから12番目のはずなのだが?まあ、そんなの関係ない、か!とりあえず無事ゴールできたことに感謝。足も何度も痙攣したり、つったりしたのに、最後まで持ちこたえてくれた。ゴールのテントには飲み物やぜんざい、そうめんなどあり、疲れた体には本当にありがたかった。

   

    

 益田のHさんのゴールを見届けようと、少し待っていたら黄色のロードバイクが見えてきた。Hさんだ。お互いの健闘をたたえ一緒に写真を撮った。ゴールの横は、お祭り会場となっていて、にぎやかにいろいろと屋台が出ていた。また、この出雲路ワンデイランの参加賞の中に温泉の無料券があったので入ることにした。ただ、着替えなどは車の中、スタート地点までもどらないとならない。スタート地点はゴールよりも随分上ったところなのだ。本当に最後の力をふりしぼり車まで行き、着替えを持って再びお祭り会場へ。この会場の奥に温泉「ゆ〜ゆ」があるのだ。この温泉はとてもひろびろしていてゆったりした気分で疲れた体を休めることができた。 

  

  

 風呂上りにお祭り会場でちょっとした軽食をとり、再び坂を上り、車まで行った。玉造温泉も、歴史のある温泉街らしく、いい雰囲気だ。以前「つぎはぎ日本一周」で通った城崎温泉も同じような雰囲気だったことを思い出した。

   

 

 出雲路ワンデイランの余韻にひたりながら益田へと車を走らせた。今回も達成感のあるイベントであった。
本日のデータ
 走行距離 160.5km
 平均速度 24.9km/h
 最高速度 65.3km/h
 最高心拍数 184
 実走行時間 6時間26分
 実際には7時30分出発 14時20分到着 6時間50分
チーム
寺子屋

Counter





※ルートの高低図は公式ホームページから借用させていただきました。公式ホームページはこちら