『熊本〜新八代』
2007.12.30 
 『つぎはぎ日本一周』3日目最終日だ。今日はひたすら南下する予定。朝、目を覚ますと、8時すぎ、少々予定よりも遅くなった。最終日に距離を稼ごうと思うと早起きしか方法はないのだが、まあ、それでもすぐに支度をして出発しようと、勇んでカーテンを開け外を見ると、なんと雨。いきなり息消沈。あ〜雨の中かあ。。
 朝食は、おむすびと、味噌汁というシンプルなものだが、おむすびはおかわり自由というありがたいシステム。3つぼどいただいて、今日のエネルギーを注入。

  

 さて、1日目と同じようにレインコートの上下など、防雨対策をしっかりしてスタートを切る。最初が肝心なのだ。中と半端な格好でスタートすると、いきなりびしょびしょになり、そのままで一日過ごさなくてはならなくなるが、最初にしっかりやっておくと、後で暑くなってぬぐにしても、ぬれないで過ごすことができるのだ。ただ、今日は、1日目に比べると気温は随分低い。その分、厚着のほうがいいか悩むところ。出発してすぐ、防雨対策軍手&ゴム手袋では寒いので、もう一枚軍手を重ねてはくことにした。

 

 今度こそばっちり!と再び走り出す。寒いので、いつもよりややハイペースでとばす。体もだんだん暖かくなる。さっき、二枚がさねをしたばかりなのに、右手がなんとなく寒いような気がして、見てみるとゴム手袋をはめるのを忘れているではないか。これでは、すごびしょびしょになるので、あわてて、歩道にいき、ゴム手袋をはめた。再びスタートをしようとすると、前輪のタイヤからごつごつとした振動が・・・。やっぱりパンクである。
 ビアンキでパンクしたのは、実は1年半前の石見ライド以来。あの日、最後に直してから、ずっとパンクせずに、今日までもっていたのだ。つぎはぎ日本一周には、必ず、このビアンキで、出ているので、結構な距離を乗っているはずなのだが、よく今日までもったものだ。修理のときにタイヤを触って見ると、チクットする部分がみつかった。よく見ると、ガラス片がささっていた。これをぬき、スペアのチューブと交換。
 路上でのパンク修理のときに、困るのが空気圧。携帯用のポンプだとなかなか苦労をするのだ。しかし、今回、最後に片方を塀におしあてて、もう片方を体全体で力を入れるようにすることで、プロアポンプとおなじぐらい、かちかちに空気を入れることができた。これは、おすすめ。雨の中でパンクしたというのがちょっと不安になる。石見ライドの時のように何度も何度もだと・・・。悪夢がよみがえる・・・。これ1回だけで終わってほしいと願う。
 その後は、雨の中ではあるが順調に進む。10キロほど進んだところに、宇土市街という標識が見えてきたので、行ってみることにした。つぎはぎ日本一周のときにはいつも参考にしているガイドブックにこの宇土という町が紹介してあったのだ。内容は大太鼓だったかな?詳しくは覚えていなかったが、おもしろそうという記憶があったので、よることにしたのだ。雨の中だったので、改めてガイドブックは見なかったのだが、とりあえず、宇土駅にいってみた。そこには、観光案内地図が設置してあったので見てみた。やはり、大太鼓資料館などがあったので、そこを目指す。
 その途中、きれいな景色が見えてきた。その名も、轟水源という名水100選にも選ばれているところだった。私が行ったときにも、実際に水をくみにきている人たちがいた。私も、ちょうど空のペットボトルを持っていたので、ここの名水を汲んで、今日の水分補給用とした。飲んでみたが、まろやかな水という感想だった。

   

 

 そこから少し行くと、大太鼓資料館が見えてきた。残念なことに、本日休館。考えてみれば今日は12月30日お休みなのは当たり前といえば、当たり前だった。資料館の建物の前で記念撮影をしたりまわりを散歩したりして八代を目指す。

    

 雨の中を進むというのは、心に余裕がなくなるようで、晴れた時だったら、景色を楽しみながら進んだり、これは!と思ったところには寄り道したりというツーリングになるのだが、雨だとただひたすらこぐという感じになる。修業のような感覚になり無心に近い時もあれば、逆に気をまぎらわせるために歌を歌いながら進むような時もあった。町中を歌いながら?と思われるだろうが、雨が降っているので、外を歩いている人など一人もいないのだ。また、車に乗っている人も窓をしめきっているので、聞こえるはずもないので、できることなのだ。
 今日は雨だけでなく、気温もすごく低いので、一日目は平気だった手、特に指先の寒さに苦しんだ。指先が痛いようになり、感覚がまひしたようになるのだ。自転車をこいでいるので体の方は暑いぐらいなのに、指先だけはどうしようもなく冷たいのだ。我慢できなくなり自動販売機のホットコーヒーでも買って、指先にあてて暖をとろうと考えた。こういう時に限って自動販売機がなかなかなかったりする、悲しい。指先が悲鳴をあげてきている。がんばって進んでいると、タコ焼屋とその横に自動販売機が見えてきた。迷わず、ここで休憩をとることにした。たこやきを注文して待っている間に、自販機でホットコーヒーを買い、飲まずに素手にあて、暖をとった。生き返る。たこやきもあつあつでうまかった。コーヒーは飲まずにそのままポケットに入れて湯タンポがわりにして、先へ進んだ。
 時々その缶コーヒーに指先をあてながら進む。

  

 そのうち新八代駅の案内表示が出てきた。サイクルコンピューター(自転車の世界では、スピードメーターのことをこう呼ぶが、私自身は、多少違和感が・・・)の距離計を見ると45キロぐらいだった。時間も12時半ぐらい。最終日としても多少早いが、雨の中でもあるし、今日は妻の実家の宇部の家に行くことになっているので新八代駅で終点とした。新八代駅に到着。駅は真新しく未来的なイメージだったが、まだ周りの整備が間に合っていないような感じだった。田んぼの中に駅がある、そういう感じだ。
 駅の高架下で自転車を分解して、輪行袋に自転車を入れる作業をしていたら、若い駅員さんから「どこから来られましたか?」と声をかけられた。一瞬注意されるのかな?と思っていたら、この方も、自転車が好きなようで、『つぎはぎ日本一周』のことを話すといいですねえと聞いてくれた。
 その後、準備をして、切符を購入、新幹線とリレーをする在来線の特急つばめに乗ることになった。時間があったので構内のうどんやで昼食。きつねうどんをたのんで食べていると、お品ががきに馬肉うどんというのがあるではないか。これを食べてみたかった・・・。残念。

   

   

 輪行をするときに気になるのが混み具合。大きなバックが他の人の迷惑になるからだ。幸いリレーつばさはここが始発なので、ベストポジションの入り口に一番近い席に陣取ることができた。帰省客とも方向が逆なので、それほど人も多くなく、快適に乗ることができた。
 いつものようにこの旅を振り返る。今回は、充電器も持ってきたので、バッテリーの心配をすることもなく、直接X01HTのモバイルワードに入力していく。うん、これが本来の使い方だ。満足。まあ、途中まで入力したら、疲れからか眠たくなってきた。帰りの電車で寝るのが、これまた、最高に気持ちいい。

   

  

 鳥栖で乗り換え。なんと、人が多いではないか。そういえば、鳥栖から長崎方面は、ちょうど帰省客と方向も同じだった。まあ、今さら取りやめるわけにもいかず、デッキのところにいればなんとかなるだろう、と思い乗り込んだが、甘かった。デッキにも先客が・・・。申し訳ないが狭い中ドデーンと輪行バックで入っていった。周りの人がいやだろうなあと思うことがとてもストレスになった。特に駅につく度に乗り降りがあり、その時に気を使った。とうせんぼにならないようにバックをずらしたり、時には降りる客と一緒におりたりして精神的にずいぶん疲れてしまった。やっと、乗り換えの肥前鹿島に到着。冷たい視線から解放されたようで、ほっとした。あ〜混んだときの輪行はもうごめんだ。肥前七浦までは普通列車。待ち時間が少しあったので、ホームにいると、午前中自転車に乗っていたときよりも随分と気温がさがったようで、寒くてしかたがなかった。10分遅れぐらいで、電車がきた。普通列車ということもあり、すいていたので、ほっとした。こうして、肥前七浦に無事到着。道の駅に車をとめていたのでもう一度自転車を組み立てて行く。道の駅では、スタートの時には見れなかった干潟を見てみた。今日も思ったほど出ていなかったが、多少見れたのでよしとしよう。

   

   

  帰りは、通勤の時間帯だったので、ETCの通勤割引を使うことにした。一度古賀のインターチェンジおり、また、そこで乗った。
 ただ、途中ぼーっとして新門司ICで出口と山口を間違えてしまい出てしまった。あわてていたため、再びそこで乗ったのだが、ここからは山口方向にはいけなく、逆方向に向かってしまうこととなった。せっかく半額になって得した分をここで無駄に使ってしまった。残念。
 30日なので、家内の実家である宇部まで行く。これで、今回の3泊3日の『つぎはぎ日本一周』が終了である。12月に雨の中というこれほど条件が悪い中に行うことができたということで、今後、可能性も広がった。 次は、どこに行こうかな?

本日のデータ
走行距離 48.25km
平均速度 20.8km/h
最高速度 37.5km/h
費用 高速代 武雄北方〜古賀 1250円(通勤割引)
         古賀〜新門司 1300円
         新門司〜小倉東 400円
         小倉東〜宇部東 2200円
普通に武雄北方〜宇部東で4950円だったので、通勤割引分ほど、無駄になり、ちょうど同じ値段になってしまった。 
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