『肥前七浦〜柳川』
2007.12.28 
 12月27日午後8時半ごろに家を出発した。夕食を食べてから車で出かけるというパターンが最近は定着している。このパターンは、夏が多く、今までで一番寒い時期でも、昨年の体操大会後にスタートした12月始めだったのだが、年末は、記録更新だ。それから、去年の12月は車中泊だけで、その日の宿泊のことは考える必要がなかったのだが、今回は、宿の心配もいる。寒い時期なので、気をつけないといけない。ぜったい泊る場所を探し出すこと。それができそうな町に来たら無理をせずに、早めにさがす。そのことだけは肝に銘じて計画を練る。
 今回は、せっかくの3日間の『つぎはぎ日本一周』であるが、どうも天気予報では、3日間とも、あまりよくないようだ。日本全国雨〜!といった感じだった。インターネットで『つぎはぎ日本一周』の続きの場所の天気を調べた。やはり、晴れ!というのはないが、かろうじて、肥前鹿島あたりが曇り、時々雨という予報だった。冬の雨....想像しただけでふるえそうだが、こんなチャンスはそうそうない。 
 ということで、肥前鹿島方面に決定。1年半前に1泊2日の『つぎはぎ日本一周』で来て以来だ。
 さて、防寒対策をしっかりしなければならないのだが、ここも難しいところ、防寒は、多いにこしたことはないが、それは、車でのこと。『つぎはぎ日本一周』は自転車で行うのだ。そうなると、リュックに入ることが条件になる。ぎりぎりの選択。着替え以外は、薄手のウインドブレーカーとレインジャケットとレインパンツ。それに中厚のウインドブレーカー上下という選択になった。これで、ほぼリュックはいっぱいだ。かついでみると、見た目の大きさに比べると軽いので一安心。
 益田を出て少しすると、綺麗なイルミネーションが目に入ってきた。年末ならではだ。阿武の道の駅にとてもすてきなものが飾ってあった。思わず、より道をして、しばし眺める。
 夜の道を一人で運転していると、誰もがそうなると思うけれど、当然眠たくなってくる。そんな時の私の眠気撃退方は、次の3つ 1大声でどなる。2大声歌う。3自分で即興で作詞作曲した歌を歌う。1と2は共感してもらえると思うのだが、3は....?の方がほとんどだと思うのだが、実は、3が一番強力な眠気撃退方なのだ。それは、あまりの恥ずかしさに、眠気がふっとんでいくのだ。作詞作曲の才能無し。
 夜スタートすると、駐車場で当然車の中で寝ることになるのだが、これもキャンプを何度もしている私からすれば、全然OK。気になっていた外からの視線も、太陽を遮断するためのグッズを駆使することで全く気にならなくなった。フロントガラスには、銀色の反射板、サイドの窓には、日よけようのネット、これがワンタッチで取り付けられ、たたむとすごくコンパクトになるので、おすすめ。ぜひ、車で寝る人は、使って!..。いないか!
 12月のこの時期に『つぎはぎ日本一周』のお許しが出ること自体ちょっと信じられないような気がしたのだが、なんと今回は割と日程もとっていいような感じなのだ。「私ら〜29日に実家にいくけえ、父さんは、いいときに来ていいよ」とおっしゃるではないか。ありがたいことだ。お言葉にあまえて30日に実家で合流という予定で、真冬の2泊3日、正確には車中泊を入れると、3泊3日の『つぎはぎ日本一周』を敢行することに決定した。
 何か、わざわざ試練を作っているようで、どこかのテレビ番組のような気もするが、これが、なんともわくわくして楽しいのだからしょうがない。
 さて、そういうような感じで、スタートした『つぎはぎ日本一周』であるが、夜中の高速を走り金立のサービスエリアで眠ることにした。心配していたとおり金山の手前ぐらいから雨が降り出した。インターネットの天気予報では曇りだったのに・・・。まあ、明日雨が上がることを祈り、寝床の準備を始めた。準備といっても、寝袋を二つひろげ、椅子をたおして、平らな部分をつくり、さっきも書いたが、目隠しをするだけなのだが・・・。これで安心して眠りにつける。疲れからか、割と熟睡できた。
 朝、目が冷めると、予想通り雨が降っていた。覚悟していたこととはいえ、やはりあまり気持ちのいいものではない。できることなら、すかっと晴れた九州路をロードバイクで走りたかった。

   

 高速からおりて、(ETCの深夜割引なので得した気分)今回、車を止めておく、ガタリンピックの会場でもある、道の駅鹿島へ向かう。雨はどんどん強くなり、頭の中で他の方法を模索しはじめている自分がいた。せっかくここまで来たんだから帰るのはいやだし、かといって冬にこんな雨の中自転車で行くのもちょっと...。そんなことを考えながら運転していたら鹿島の町でトライアルをみつけた。いろいろなものが安いお店だ。そうだ、ここで、雨対策グッズを買って雨の中を行こうという思いに至った。ここで、靴の中にはく、プレーン生地の靴下、首まわりを雨風から守るネックウォーマー、極めつけは、掃除などにつかうゴム手袋と軍手。自転車専用の冬用グローブを持ってきていたのだが、これだと、雨にぬれるとぐしょぐしょになり、使えなくなるので、だめもとで、ゴム手袋をすることにしたのだ。結果的にはこれは、大正解。多少むれるけれども寒くもなく、雨に対しては、ばっちりだった。
 鹿島の道の駅は、がたりんぴっくの会場ということで、広い干潟をイメージしていたのだが、潮が満潮だったのだと思うが海を見ても、干潟はぜんぜん見えず海面が広がっていた。
 スタート時はやはり雨、完全防水使用で自転車にまたがった。

  

 最初に向かったのは肥前七浦の駅。前回の到達点からスタートするのがこの『つぎはぎ日本一周』の自分になりのルールになっている。次に目指すのは佐賀。佐賀のイメージはちょっと前なら、はなわだが、最近は「がばいばあちゃん」こと島田洋七の話す佐賀だ。
 国道207号線をひたすら北上する。すると、さっき、防雨グッズを購入したトライアルのところに出た。
 防雨対策と同じように防寒対策もばっちりしてスタートした。雨ではあるが、12月にしては、すごく気温が高いといこともあるし、自転車をこいで進むので、自然に体が暑くなって、ここで、一枚上着をぬぐことにした。

  

 ひたすら雨の中をこいでいるのではあるが、ときとして、足を止めるときがある。足を止めるほどの景色というのは本当で、思わず戻ってその景色をもう一度見たいと思うようなことが時々ある。今回も何カ所かそういう場所に出会った。神社の境内の大きな木(楠?)遠くの山にかかる霧?雲の様子、広い畑を整然と耕している様子。九州は広いなあと思う。
 佐賀までの道で気に入ったことは、車道に二輪車専用のレーンがあり、とっても走りやすかった。日本の道路の理想はこういう形なのかも、と思える道だった。

    

 平野が広いということは、高低さが少ないということなので、水路が計画的に張り巡らされている。こういう景色は益田の狭い平野ではなかなか見ることができない。
 このあたりの川は、堤防はあるのだが、河川敷のつくりが実に自然で、昔の川はこうだったんだろうなあと思えるようなつくりになっているところが多いような気がした。それだけに川のある景色がとてもきれいだった。

   

  

 佐賀駅に着く。以前聞いた話だと、駅前にも田んぼたや畑が広がっているということだったのだが、そんなことは全くなく、都会の姿をしていた。その話っていったいいつのことなんだろう。「がばいばあちゃん」の中に出てくるお掘りの川、自然のスーパーはどういうところなのだろうと思って、町を散策していると、大きなビルの下の方から流れている小川のような水路の水が思いのほかきれいなのに驚いた。きっと、こういう場所のことだったんだろうと納得した。佐賀は、いたるところに水路があり、どの水路もなんとなく絵になる感じだった。

    

 佐賀城跡に行き、本丸歴史館に入る。立派な資料館で、展示物も充実しているのだがなんと無料だった。ここは、以前佐賀のお殿様が住んでいた本丸を再建して歴史館として利用しているそうだ。

   

 佐賀を出てつぎの目標である柳川を目指す。
 後で知ったことであるが、佐賀から筑後川まで自転車道があったのだが、今回は国道を通っていった。遠くに面白い形の橋が見えてきた。筑後川昇開橋というらしい。今は上がった状態だが、いつ下がるのだろう?その橋は通れないので、河原の道を上っているとウミネコだと思うが、結構近くを通っても逃げようともしない。おかげで、大アップの写真が撮れた。
 その後、なんという川かわからなかったが、鹿島では見れなかった干潟のような川が見えた。道沿いに古賀政男記念館があった。そこで、記念写真をとって、先へ進む。

   

    

 田んぼの稲刈り後の藁の処理の仕方というのはその場所場所で特徴がある。このあたりは、小さい塊を等間隔で並べている見ていてなんだかかわいい感じだ。

 

 柳川に着き、そろそろ、宿探しを開始することにした。さすがにこの時期に野宿というわけにはいかないので必死だ。最初に目に入ったグリーンホテル。そこを見ると、改装中ということでお休みだった。次に行ったのはビジネスホテル柳川というところ。乗船場にも近く空いているということで、ここに決定。ビジネスホテルということで、夕食は外で食べなくてはならない。外はまだ、明るかったので、柳川の川下りの川を少しだけ見て回った。いい感じだ。明日はしっかりと見て回ろう。

   

 結局近くのスーパーで弁当買って、ホテルの部屋で食べることにした。前回袋がひっかかって頭から着地したことがあるので、今回は気をつけて帰り無事だった。
 ホテルのこの時間はゆったりした時間で、結構好きな時間だ。今日の疲れもあり、早めに寝る。今回は充電器をもってきたのでバッテリーの心配をしないで直接、『つぎはぎ日本一周』の記録をうつことができたが全部はうてなかった。まあ、それでもこの使い方ができて、やっとX01HTの本領発揮というところか。
 
 明日は、柳川の町を観光してから南下をする予定。
本日のデータ
走行距離 66.82km
平均速度 18.2km/h
最高速度 45.5km/h
高速代 美祢〜武雄北方  3400円 (深夜割引) 
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